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気がついたとしても、その瞬間が過ぎ去ってしまうまで、何が間違っていたのかわからないのが普通だ。
5パターンの社会的交流が、この種の沈黙の代表例だ。
個人的なものも、ビジネスライクなものもある。
平凡で大して重要性をもたないように思われるものもあれば、個人の幸福に不可欠とされるものもあるが、すべては恐れや自分が傷つくのでは、という不安によってコントロールされている。
たとえば、ケーキを注文した店の近くで、親しい隣人が働いていたとする。
もし頼んだとしたら、友人に夕食をごちそうしたが、ウエートレスが過剰請求の伝票を持ってきて、内心ドキッとする。
伝票を水増ししたのか勘違いなのかわからないが、いい人でいたいので、相手や自分自身にばつの悪い思いをさせたくない。
そこで説明を求めることなく勘定を支払う。
または、お金を貸していて返済の期限を過ぎている友人がいる。
友人はけっしてそのことにふれないし、自分も何も言わない。
人を怒らせるかもしれない、無礼だと思われるかもしれない、または拒否され、ばつの悪い思いをするかもしれないという考えに、いい人はおびえる。
たとえば誰かの家を訪ねたとき、相手がタバコを吸っていたとする。
ちょうど気管支炎だったり、タバコの臭いが耐えがたいたちだとしても、いい人は「タバコをやめてくれ」とは頼みたくない、もしくは頼めない。
あるいは、まわりの迷惑になるほど行儀の悪い子供がレストランにいて、内心ではその子の両親になんとか(大声で叫んでいることに対してなんとか!)してもらいたいと望んでいるのに、ひと言も言わない。
彼は気軽に注文したケーキを取りに行き、家まで届けてくれるかもしれない。
だが、仮にそうでも強要はしたくない。
だから頼まないで、忙しいスケジュールのさなか、往復90分もかけて自分の車で取りに行く。
自分が何をしたいかを要求できると思わないために、いい人はどんなつきあいにおいても、無意識に遠まわしの方法に頼る。
かかわる人を巧みに操ろうとしたり、罪悪感をもたせようとしたり、直接には言わずに自分の望むものを得たいと考えたりする。
または、別に口に出さなくても、親しい人なら自分の気持ちを読み取って、望みをかなえてくれるはずだとほのめかすこともある。
それでわかってもらえないと、相手に怒りを覚えるかもしれない。
このような企てが何であれ、自分が何をしたいかを気軽に直接言わないため、遠まわしになってしまう。
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